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【全文文字起こし】2020年度練馬区成人の日のつどい

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2020年度の練馬区成人の日のつどいは式典が中止になり収録で動画配信という形式になりました。Code for Nerimaでは毎年多言語字幕のサポートのお仕事をしていたのですが、今年は動画への字幕対応を行うことになりました。

字幕付きのものが公開されるのに先立ち、こちらの全文文字起こしを公開いたします。ぜひお読みください!

※こちらCode for Nerimaとしてはオープンデータとして公開します。
CC BY 4.0

司会/

ただいまから、練馬区成人の日のつどいを開式いたします。私は本日の司会進行を務めます黒柳千寿江と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

今年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染防止のため会場に集う形式の開催ではなく、無観客での式典となります。

はじめに国歌を放送いたします。

皆様、ご起立をお願いいたします。

皆様、どうぞご着席ください。

それでは、主催者を代表して、前川燿男練馬区長から、新成人の皆様にお祝いを申し上げます。

前川燿男(まえかわあきお)練馬区長/

練馬区長の前川燿男です。

本日成人式を迎えられた皆さん、誠におめでとうございます。74万区民を代表して心からお祝いを申し上げます。

今、新型コロナウイルス感染症が爆発的に拡大をして、1都3県に緊急事態宣言が発出されています。

こうした中、今回の成人式は、新成人代表の方4名を中心とする少人数で開催することといたしました。

どうかご理解をいただきたいと存じます。

日本は今、戦後最大の危機に直面していますが、コロナはまた、日本の弱体化を浮き彫りにしました。

少子高齢化による労働力減で、経済の沈滞が続く中、日本の国家予算は、長年にわたって、目前の課題解決に迫られてからとはいえ、国債に依存するようになりました。

国債の発行残高は、GDPの約2倍に達しており、今回のコロナ対応でさらに増加を続けています。

このままでは日本の未来はどうなるのか心配でならないのは私だけではないと思います。

かつての日本はこうではありませんでした。

明治の日本は、将来のために今を我慢し、歯を食いしばって頑張る。

臥薪嘗胆の精神で、アジアの中で唯一、欧米に追いつき、近代国家のを蛍雪を成し遂げました。

また、第二次世界大戦後は、焼け跡から立ち上がって、裸一貫で必死で働いて、現在の豊かな生活に繋がる成長を実現しました。

いずれも国民の一人一人が自分の足で立って、自分の力で、明日の生活を豊かにしようという、そういう気概を持ち続けたからこそ成し得たのだと思います。

明日の日本を担うのは、若い皆さんです。

現在のコロナ禍をはじめ、様々の困難を克服をして、日本の未来を切り開いていただきたい。心から念願をしています。

とはいえこれは皆さんに、例えば幕末の坂本龍馬や高杉新作のような英雄になってほしいという意味ではありません。

皆さん一人一人が自分の足で立って、社会を支える自立した人間になっていただきたい。これは、言うは安くして初めから完成した人間などいません。

誰しも若いときは、みんな道に迷って、苦しんで挫折して失敗を繰り返して、たくさんの汗と涙を流して、その中から立ち上がる経験が大切なのです。

私も同じでした。

これが青春の特権であり、こうした特権を行使する若者が多ければ多いほど、日本の未来につながると私は信じています。

大人への道を歩き始めた皆さんが一人一人、お一人お一人の生活に幸あれかしと心から祈念して、私の挨拶とさせていただきます。

最後に一言付け加えますが、今回この機会に、旧友の皆さんと再会する予定の方もたくさんいらっしゃると思いますけれども、どうかくれぐれも外出と会食は極力控えていただきたいと思います。

引き続きマスクの着用、手洗いと消毒の励行、そしてまた密閉密集密接の回避、こういう感染拡大防止の原則を徹底していただきたい、そうお願いを申し上げたいと思います。

皆さんお一人お一人の行動が感染拡大の防止に繋がります。どうかよろしくお願い申し上げます。それでは皆さん、本日は誠におめでとうございました。

どうか、健闘を祈ります。

司会/

前川燿男練馬区長よりお祝いを申し上げました。続きまして、練馬区議会を代表いたしまして、小泉純二練馬区議会議長からご祝辞をいただきます。

小泉純二練馬区議会議長/

ただいまご紹介をいただきました、練馬区議会議長の小泉純二でございます。

本日、成人の日を迎えられた皆様に、区議会を代表いたしまして、一言お祝いのご挨拶を申し上げます。

本来晴れやかで、晴れがましい舞台となるはずの成人式のセレモニーは、今年、緊急事態宣言の発令に伴い、インターネットでの配信となってしまいました。

また、同窓の仲間や先生がた、何よりも親御さんをはじめ、ご親族の皆様との楽しい集いも自粛を強いられる状況ではないかと推察いたします。

しかしそれゆえにこそ、あえて声を大にして申し上げたく思います。

新成人の皆さん、本日は誠におめでとうございます。

皆さんの先輩がたも、それぞれの年代で時代の課題と真摯に向き合ってこられました。

皆さんは平成12年、13年に誕生されましたが、皆さんが生まれた時代はどのような時代であったでしょうか。

私の記憶をたどって、少しお話をしてみたいと思います。

当時は日本の金融市場、まさに大激変のときでした。

平成9年の北海道拓殖銀行に他を発した大手金融機関の経営破たんは、その後も山一証券日本長期信用銀行、日本債券信用銀行と続き、平成12年には、共栄生命保険が戦後最大の4兆5296億円もの負債を抱え、倒産いたしました。

それまで信じられてきた、大手金融機関の不倒神話は完全に崩れ去ったんです。

一方、情報通信の分野ではブロードバンドが浸透し、利便性が大幅に向上したことや、データ通信向けの定額サービスが導入されたこともあり、インターネットが急速に普及してきました。

また、今では多くの人が利用しているオンラインショッピングをはじめとする電子商取引や、新聞雑誌などをインターネット配信する電子出版など、従来の商慣習にとらわれない新たなビジネスが始まったのもこの時代です。

皆さんにとって、ネットで買い物をしたり、スマートフォンで音楽や動画を楽しむことは、当たり前のことと思えるでしょうが、当時の人たちにとっては、まさに画期的なサービスであり、それまでの生活を大きく変えるサービスの誕生であったのです。

皆さんが誕生してから、こんにちまでの20年間は、情報通信技術の目覚ましい進歩による生活様式の変化、少子高齢社会の到来など、社会が大きく変化した時代でした。

皆さんがこうした時代に、ご家族や友人など周囲の人たちに支えられて今日という日を迎えることができたわけです。

励ましや賞賛の言葉だけではなく、時には厳しい叱責や意見もあったでしょうが、それも皆さんの健やかな成長を願う思いが込められていたはずです。

これまで温かく見守っていただいた全ての方々に、まずは感謝する心を持っていただきたいと思います。

さて、現在新型コロナウイルスが全世界を覆い尽くし、人々の生命と健康を危機に陥れこれまでの社会生活を大きく変容させており、世界中がまさに未曾有の最悪の渦中にあります。

また、経済活動にも甚大な影響を与えており、しばらくは厳しい経済状況が続くことが予想されます。

このような中、皆さんは大人として自らの道を切り開き、また社会を担っていただくことになります。

幾多の困難が、待ち受けていると思いますが、それに臆することなく、必ず素晴らしい未来を築き上げていくという強い信念と希望を持って進んでいただきたいと思います。

皆さんの後に続く、子供たちの手本となるような行動を、そして練馬区民として、日本国民として、家族や社会を支える原動力となっていただくことを心より期待いたします。

皆さんの将来が実り多いものになりますよう、心からお祈り申し上げまして、お祝いの言葉とさせていただきます。

本日は誠におめでとうございます。

司会/

小泉純二練馬区議会議長からご祝辞をいただきました。

本日は成人を迎えられた皆様をお祝いするために、ただいまご祝辞をいただきました小泉議長の他にも、区議会議員の方にご臨席いただいております。

ここでご紹介させていただきます。

うすい民男、練馬区議会副議長でございます。

練馬区議会自由民主党、藤井たかし幹事長でございます。

練馬区議会公明党、吉田ゆりこ幹事長でございます。

日本共産党練馬区議団、島田拓幹事長でございます。

練馬区議会未来会議、井上勇一郎幹事長代理でございます。

市民の声ねりま、池尻成二幹事長でございます。

練馬区議会立憲民主党、白石けい子幹事長でございます。

続きまして、主催者である区の理事者をご紹介します。

小西將雄練馬区副区長です。

山内隆夫練馬区副区長です。

川口浩練馬区教育委員会教育長です。

ではここで新成人の代表4名から20歳のメッセージを発表していただきます。

新成人を代表して、西脇将伍さん、大内麻衣さん、西脇港斗さん、岩井瑠南さんの順に発表していただきます。

はじめに西脇将伍さんです。

西脇さんには手話で発表していただきます。

よろしくお願いいたします。

西脇将伍/

残念ながら、息子さんは耳が聞こえていませんでした。

これが私がこの世に生を受けたとき、最初に医者から浴びせられた言葉です。

でも皆さん、耳が聞こえないことは本当に残念なことなのでしょうか。

私達のようなろう者は、社会的なマイノリティとして、障害者とか、かわいそうと見られることが多いと感じてきました。

でもその実ろう者は、日本手話という立派な言語を持ち、ろう文化を胸に日々を生きています。

私もその1人です。

私がこのようにろう者としてのアイデンティティを確立し、成長してこれたのは、両親のみならず、学校の先生、友人たちのおかげだと感謝しています。

ところで今、多様性を重視する考え方からダイバーシティという動きが社会で広まっています。

まさに多様な人材を積極的に登用しようとする動きです。

そんなときに私は新しい視点を自分に取り入れ、ろう者として、違いを受け入れ、認めるそういう新しい視点で自分の夢に向かって積極的に活動していきたいと思います。

その一環として、手話言語研究、そして手話の指導も行っています。

今後も私はこの活動に力を入れて、次世代の聞こえない子供たち、ろう者の言語である日本手話、そしてその背景にあるろう文化をきちんと継承していきたいと思っています。

そしていつの日か、聞こえない子供が生まれたとき、残念ではなく、おめでとうと言われるそういう社会になってほしいと心から願っています。

話は変わりますが、野球の試合で審判が使うアウト、セーフといったジェスチャーですが、これは実は、アメリカにいた、耳の聞こえないメジャーリーガーが考案したものだということをご存知でしょうか。

耳の聞こえない彼のために、声だけではなく、身振りも入れて示すようになったわけですが、それが一般の観客にもわかりやすかったために、こんにちまで使われているわけです。

この例にもあるように、障害者に対して、周囲が一方的に何かを施すというのではなく、お互いに助け合って高め合っていける社会作り、これを目指すことを約束して、私の新成人代表の挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

司会/

西脇将伍さん、ありがとうございました。続きまして、大内麻衣さんです。よろしくお願いします。

大内麻衣/

本日、緊急事態宣言が発令されているにもかかわらず、私たちを祝福していただける機会をいただき、誠にありがとうございます。

また、こんにちまで育て上げてくれた両親、家族、そして指導いただいた諸先輩方に心より感謝申し上げます。

私たちは、この自然豊かな練馬区で学び合い、ときに遊んできた仲間と、本日の成人としての誓いを共にしていることを心より嬉しく思います。

これも支えてくれた両親や家族、そして、地域の皆様のおかげだと感謝しております。

さて、私達は20歳を迎え、すでに職業に従事している者や、学業に励んでいるものなど、立場は様々ですが、一人ひとりが自分の行動に責任を持ち、社会の一員として常に向上心を持って前進する覚悟でおります。

私は高校を卒業後、大学に進学しました。

地域のコミュニティーを学ぶ学部に入り様々な国内のコミュニティを調べていく中で、自分の故郷、練馬区への思いの深さを再確認することができました。

卒業後は、この東京がさらに発展していけるような、土地活用を行う仕事に就きたいと希望し、努力しています。

自分の学びはまだまだ稚拙ですが、この経験を生かして、我が故郷に少しでも貢献できればと願っています。

最後になりましたが、まだまだ未熟な私達ですので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

そして多くの方々への感謝の気持ちを忘れず、成人としての決意を忘れず、力強く、優しくたくましく生きていくことを誓って、新成人代表の挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

司会/

大内麻衣さんありがとうございました。続きまして、西脇港斗さんです。よろしくお願いします。

西脇港斗/

本日は、こうした状況にもかかわらず、成人を迎えた私たちの門出に対し、工夫した式典を催していただき、誠にありがとうございます。

また、前川練馬区長からのお祝いと激励の言葉をいただき、新成人を代表して、心よりお礼申し上げます。

私達新成人の中には、大学や専門学校で日々勉強している人、就職して仕事に励んでいる人など、自分の目指す目標に向かって努力している人がたくさんいると思います。

しかし一方で、昨年発生した新型コロナウイルスの蔓延から約1年が経ちます。

未だ先の見えない時代となっており、社会も混乱した状況にありますが、そこで必要となるのは、私達新成人のような若者の力ではないでしょうか。

成人式という一つの節目を迎えた今、大人としての自覚を持ち、責任感のある社会人として歩んでいくことが、私達を育ててくれた社会への恩返しに繋がると思います。

現在、私は大学生として、学内の広報活動や受験生のサポートを行う学生スタッフのボランティアを行っています。

これらの活動するに至った理由の一つとして、私の大学受験期にたくさんの人にお世話になったことがあります。

今まで助けていただいた分、これらの活動を通し、身の回りのことから、社会全体へと幅広く貢献していけるよう、日々努力してまいります。

最後になりますが、今日私たちが成人式を迎えることができたのは、私達を支えてくれた家族や先生方、地域の皆様と、共に歩んだ仲間たちのおかげです。

この練馬で生まれ育ったことを誇り、誰かの支えとなる立派な社会人になることを誓って、新成人の挨拶とさせていただきます。

司会/

西脇港斗さん、ありがとうございました。最後に岩井瑠南さんです。よろしくお願いします。

岩井瑠南/

「誰も置き去りにしない」国際社会共通の目標であるSDGsの基本概念です。

私は今大学で福祉を専攻しています。誰も置き去りにしないとの点で、福祉は大きな役割と使命があると感じています。

病気の苦しみは薬や治療で和らげることができても、昨年から続いている新型コロナウイルスがもたらした経済の苦境や、人との関わりの分断の中では、心に生きる勇気や希望を与えるには、人の共感による励ましの声が必要だと感じています。

新型コロナウイルスの被害は、世界のテロ行為による被害をはるかに上回り、今もなお、地域・世代を問わず人々は新しい生活のマナーやルールを強いられ、オンラインの発達していない国では、教育の遅れなど、多岐にわたり悩まされて生きている人があふれています。

感染症はともすれば、自分たちさえ良ければというエゴを生み出します。

身を守り、生きていくために協力し合っていけるのが人間です。

自分には何ができるのかを考え、一人ひとりが自分だけに向けていた目線を目の前の1人に向けて行動すれば、思いやりのある温かな世界が広がり、有事を乗り越えていけると信じています。

明るい未来を展望して、前向きに前進することが、エネルギーの塊である私達20歳の責任でもあると考えます。

生まれ育った大好きな練馬区が、これからもずっと、希望と笑顔と緑あふれる街であってほしい。

私は誰かの笑顔のお手伝いのできる存在になれるよう、成長していきたいと思います。

ご清聴ありがとうございました。

司会/

岩井瑠南さん、ありがとうございました。4名の新成人による力強いメッセージでした。皆様もう一度4名の新成人に拍手をお願いいたします。

これをもちまして、練馬区成人の日のつどいの式典を閉式いたします。

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